第九の日

瀬名さんのケンイチ君シリーズが書籍にまとまって出版された.タイトルは「第九の日」.中身の,最初の日本,「メンツェルのチェスプレイヤー」と,「モノー博士の島」は既に読んでいた名作である.前者は息詰まる疾走感(一種「走れメロス」の後半に匹敵!?)を感じた.後者も大変好きな作品だ.今をときめくBMIをじっくりと捉えてもいる.「第九の日」は,「デカルトの密室」並にに難解に感じた.私には時間がないので急いで読んだわけだが,これは実にもったいない読み方だと思う.ネタばれなので内容には直接言及できないが,最後は「三国志」とか「銀河英雄伝説」の時並みに驚きの展開だった(推定できたらごめんなさい).最後は書き下ろしの短編「決闘」.実に斬新な視点で,アシモフを越えた短編の一つだと感じた.
しかし,瀬名さんは難しい問題に真正面から切り込んでゆく勇敢な方だ.脳を活かす研究会でのご講演をたびたび思い出しながら読ませていただいた.シリーズ次回作が楽しみだ.