社会的知能発生学研究会@伊東

Production I.G.の櫻井さんの幹事で,今年度最後の研究会を開催している.
東京大学大学院の哲学者である植原亮先生には「ラディカルな知能のエンハンスメントは人間に何をもたらすか」という演題で,BMI研究の延長にある記憶増強,思考補助,視覚イメージコミュニケーションなど,能力エンハンスメントにより生じる自己強化や自己破壊に対して哲学者はどう議論するのかを教えていただき,また皆で思考実験をして大いに楽しんだ.慶応大学大学院の前野先生には「意識は受動的か?幻想か?」という講演をしていただいた.意識の機能についての一つの仮説が提示され,メンバーの梅田さんを中心に大いに議論が沸騰した.
メンバー講演は東北大学大学院の清水さん.相変わらずしっかり進捗をされていて感心した.しかし,ソシオ恒例の導入部で噛み付かれ先に進めないという状態が今回も発生し,融合領域研究のスタンスの難しさ,外部への説明の難しさというものが浮き彫りになった.私も日本学術振興会のJGFoSという会議で仕事をしているが,毎年この点に腐心している.

稲邑さんからは社会的知能発生学シミュレータ SIGVerse の現状報告があった.ようやく今年のRobomecでお披露目となる.