空腹の時間をつくる

先日,ANAの機内雑誌で面白い記事を見つけた(石原医学博士著).
人類の歴史は天変地異などにより飢餓との戦いの歴史でもあった.
その結果,空腹時に血糖が低下したときには,それを増加させるホルモンは10種類ぐらい存在するが,食べすぎによって血糖が上昇したときには,それを下げるホルモンはインスリンだけしか存在しないのだそうだ.また,満腹に成ると白血球も満腹になり,ガン細胞やアレルゲンを貪食する力が落ちるのだそうだ.そこで,あらゆる病気で食欲がなくなるのは,白血球の働きを高めようとする本能の為せる業と言ってよい,とのこと(因果に言及するのはやりすぎではとは思うが).
確か,低カロリー法とかいうものが唯一,医学的長寿法として認知されていたと記憶している.我々が飽食に対応する遺伝子変化を自然に起こすには,まだ気の遠くなる時間が必要なのだろう.一方,エコロジーの観点からは,無理に作り,無駄に消費するという無駄サイクルはなるべく避けたいものだ.また,いずれ急激な温度変化期がやってくるともわからないが,空腹は最良のスパイスであることは誰もがわかっていることだ.敢えて飽食に適応する必要があるとは思えない.