語彙の重要性

最近,語彙(ボキャブラリー)を豊富に持っていることは,知能に極めて重要であると感じる.
それは格好良さとかインテリっぽさという表面上の影響にとどまらない.
語彙は,言語という元来曖昧なコミュニケーション媒体を,少しでも厳密かつ効率の良いものにしようという先人の努力の賜物だと思う.それを意識して,語彙を正しく使うことで,相手に自分の意図が正確に伝わった(逆も然り)という経験が増えてきた.

一方,語彙が少なくても生きることはできる.近年は若者の漢字,ひいては語彙能力の低下が著しいと聞く.活字には平仮名(ひらがな)が増えた.映画ビジネスでも,字幕で語彙を簡単にしたり平仮名にしないと若者受けが悪いと若者に迎合しているそうだ.語彙は覚えるのも使うのも難しい.すなわち,高度に知的な作業なのだ.

若者が創造した特殊語彙も多数あるだろうから,厳密な議論はできないが,語彙が減った分,コミュニケーション能力や知力が低下しているのではないかと心配だ.大人が金のために安易に迎合すべきでない.ゆとり教育の結果から明らかだ.